自動車を下取りや買取りに出すときその価格が決まる元になるのが査定です。自動車ディーラーに入社するとまず一番に勧められるのが、中古自動車査定士技能検定と損害保険の募集人の試験です。一般財団法人自動車査定協会(JAAI)の講習を受け、試験に合格すると査定士になれます。ほとんどのセールスは資格を持っていますが、その技能には少なからずバラつきがあるようです。ディーラーの垣根を超えて技能コンテストをやったりしています。
現車のグレードの特定、車検の残り、走行距離、不具合箇所、ボディの状態、事故の有無、装備品などをカーチェックシートに記入していきディーラー独自のマル秘査定書の標準状態の価格から加減点して査定価格を計算します。事故の見落としやグレード間違いは取り返しがつかず大きな損失になるので真剣です。
買取店ではリフトで持ち上げて下からも見たりしますが、新車ディーラーではお客様が見ている前で車の下回りをのぞき込むぐらいが精一杯で結構汗をかきます。見落としを怖がってどうしても査定価格が低くなりがちです。
新車ディーラーでは、その時の販売政策によって査定アップしたり最終的な下取り価格をきめます。購入店へ下取りに出す場合はそのまま納車まで乗れますが、買取店へ単独で買い取って貰う場合は車がなくなってしまうこともあるので確認が必要です。永く乗ってきた愛着ある自動車なのでできるだけ高く査定して欲しいのが心情ですが、買い取った方も仕入れを起こし整備をして手間をかけて商品車にしなければいけないので、並んでいる中古車の店頭価格と比べると案外がっかりするケースが多いのが現実です。