自動車保険の普及率と認定額
自動車保険(任意保険)の普及率は次の通りです。
対人賠償 | 対物賠償 | 搭乗者傷害 | 車両保険 | |
全国平均 | 73.3(87.1)% | 73.3% | 43.1% | 42.6% |
佐賀県 | 65.3(87.5)% | 65.2% | 41.0% | 36.3% |
(H25年度末時点、( )は各共済含む 損害保険料率算出機構データより)
少なからず自賠責保険のみしか加入していない車があることになります。
また、平成24年度対人賠償責任保険における死亡事故認定額構成比をみると次の通りです。
2,000万円超4,000万円まで 50%
4,000万円超~ 41.4%
更に対物や車両保険における1台当りの修理費は約21万円だそうです。(同上より)
自動車損害賠償責任保険(自賠責)
そこで、自動車損害賠償責任保険(自賠責)についてもう一度見ておきましょう。
自動車損害賠償保障法(S30年):民法の特別法で加害者の故意、過失を被害者が立証しなくても損害賠償を受けられ、その機能確保のため強制保険にした。また無保険車や加害者が不明な場合も政府の保障事業を定めるなど、被害者保護を第一とした社会保障的な性格。
未加入運行:1年以下の懲役または、50万円以下の罰金
証明書を所持していなかっただけでも:30万円以下の罰金
無保険での運転:交通違反点数 6点 免許停止処分
自賠責保険の期限切れはもちろん、証明書の紛失にも注意が必要です。
保険金額等の支払限度額
交通事故で他人が死亡 3,000万円
傷害(ケガ) 120万円
後遺障害 75万円~4,000万円(後遺障害の程度に応じた等級によって)
神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合
随時介護 3,000万円(第2級) 常時介護 4,000万円(第1級)
上記以外の後遺障害
(第14級)75万円~(第1級)3,000万円
特徴
- 被害者に重大な過失があった場合にのみ減額ー過失割合70%以上
- 保険金が支払われないケース
・100%被害者の責任で発生した事故
被害車両がセンターラインオーバーによる事故
〃 赤信号無視
脇見、居眠り運転による追突事故による加害者自身のケガ
悪意
自損事故 など - 保険の適用でないもの
・加害運転者自身のケガ(単独の人身事故含む)
・自動車の修理代
・物の損害 - 仮渡金制度ー賠償額の確定までに時間がかかるため、当面の出費。保険金の前払い。
・死亡の場合 290万円
・ケガ 〃 5・20・40万円(ケガの程度に応じて) - 保険金の請求
・加害者請求(保険金請求)
・被害者請求(損害賠償請求)被害者から加害者の契約先保険会社に対して
(日本損害保険協会HP参考)
自動車保険(任意保険)は現在、従来の販売方式に加えネット販売など様々な選択肢があります。保険の条件や保険金額はもちろんのこと、車の利用環境や使用状況などによって保険料が変わりますので賢く選びたいです。また年齢の若い方はどうしても保険料が高くなってしまいますが、自賠責保険と自動車保険の役割や内容を吟味して最適な保険を選ぶことが大切です。
自由化やネット保険の台頭により以前ほどではないと思いますが、JA共済の自賠責共済とのセット割引(対人賠償の共済掛金約7%割引)はユーザーのご指名が多かったです。新車の登録の際に自賠責をJA共済で加入するように指定されるのですが、当時JA共済の代理店ではなかったのでその度に近くのJAまで走っていました。
特徴の項目には入れていませんが、自賠責保険には示談交渉サービスがありません。個人間での示談交渉は困難で、対人賠償、対物賠償など複雑化、費用面でも高額化する傾向にあります。当然ですが被害者の救済機関は多いです、しかし加害者の相談にのってくれる所はなかなかないと思います。事故を起こさないのが一番ですが、自賠責保険と任意保険の大きな違いの一つといえると思います。