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保管場所使用権原疎明書面

保管場所使用権原疎明書面

恥ずかしい話ですが、車のセールス時代この書面の読み方がわかりませんでした。どこで区切っていいのかわからなかったのです。自認書で通じるので特に問題はなかったのですが、権限や証明と違って権原や疎明って一般的に使いませんよね。この書面は以下の法律・政令・規則からなっています。

・「自動車の保管場所の確保等に関する法律」 第四条 

・「自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令」(昭和三十七年八月二十日政令第三百二十九号)
第一条(保管場所の要件)
三当該自動車の保有者が当該自動車の保管場所として使用する権原を有するものであること。

・「自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則」(平成三年一月三一日国家公安委員会規則第一号)
第1条2項  前項の申請を行う場合において、申請書二通のうち一通(同項の規定による別段の定めにより申請書一通を提出することとされる場合にあっては、当該申請書)には、次に掲げる書面を添付しなければならない。
一自動車の保有者が当該申請に係る場所を保管場所として使用する権原を有することを疎明する書面
二 当該申請に係る使用の本拠の位置並びに当該申請に係る場所の付近の道路及び目標となる地物を表示した当該申請に係る場所の所在図
三 当該申請に係る場所並びに当該申請に係る場所の周囲の建物、空地及び道路を表示した配置図(当該申請に係る場所にあってはその平面の寸法、道路にあってはその幅員を明記すること。)

「権原(けんげん・けんばら)」とは、「権限」が一定の法律行為や事実行為ができる権利の範囲、地位、権能とかいう意味合いに対し、その法律行為や事実行為ができることの法律上の原因、根拠ということになります。基礎となる権利のことで所有権や賃借権がこれに当たります。

「疎明(そめい)」とは、簡単にいうと程度の問題で「証明」するとまではいかないけれど一応確からしいということを相手にいだかせることで、迅速な権利者保護の目的(証明している時間がない)など条文に明記されている場合に訴訟などで使われることが多いです。

よって「保管場所使用権原疎明書面」は、自動車の駐車場として使うのに自分の物だからという所有権または自分の物じゃないけどちゃんと借りているので賃借権(使用権)がありますよということをかなりの確率で表している文書で、いざとなったら証明できますよぐらいの程度ということになります。

自動車の保管場所申請の添付書類としての疎明書面の代表として自認書と自動車保管場所使用承諾証明書等があります。第三者がみても客観的に疎明できなければいけないのでケースバイケースで追加の資料が必要な時もあります。

自認書

保管場所である土地・建物が自分のものであることを自分で認めているものですが、確かに自分が証明しますとまでは言えないですね。昔々はこれの補強資料として土地の地目や所有者の記載がある「評価証明」を添付したりしていました。現在でも市役所などで車庫証明用として固定資産の所有者を証明する書類が発行されるようです。

ちなみに佐賀県では行政書士が代理で自認書を作成する際に、「保管場所使用権原疎明書(自認書)記載事項につき、登記情報により所有者に確認した結果内容について相違ありません。」という「事実証明書」を添付すると自認書の申請者の押印が省略できることになっています。

自動車保管場所使用承諾証明書等

申請者以外が所有している土地・建物を保管場所として借りて使用する場合の疎明する書面としては所有者や管理人の「使用承諾証明書」がやはり証明書だけあって強いです。ただ、不動産屋さんなどにこれをもらいに行くと代金を請求されることがあるのが難点です。疎明でいいので駐車場の賃貸借契約書の写しや駐車料金の領収書等で代用できますが、部屋と駐車場が一緒に記載されている賃貸借契約書の契約期間を記載している日付が更新前のものや契約書は旦那さん名義で申請者が奥さんの場合などそのままでは使えない場合もありますので注意が必要です。

本来は不要だった車庫証明申請時の駐車場貸主による使用承諾書

参考までに少し古いですが、国民生活センターの2003年6月20日掲載の相談事例に上記タイトルのものがあったので以下転載します。おかげさまで最近では、警察のホームページ上で詳しく添付書類が明記されているようになっています。

相談事例
車を買い換えることになり、登録に必要な車庫証明書の交付を所轄警察署に申請することになった。月極めの賃貸駐車場を利用しているため、不動産業者に申し出たところ、「保管場所使用承諾書を貸主に書いてもらわなければなりません。手数料として1か月分の賃料相当額がかかります」と言われた。そんなものか と思い、手数料を負担して承諾書を書いてもらったが、後で調べたところ、駐車場賃貸借契約書の写しの提出でも、車庫証明書が交付されることが分かった。不必要な費用を負担させられて納得できない。車庫証明書の申請に必要な書類を周知してほしい。(40歳代 男性 給与生活者)

アドバイス
自動車の保有者は、道路上の場所以外の場所において、当該自動車の保管場所を確保しなければならないと法律(※)で定められています。自動車を購入など して登録を行う場合、保管場所を確保しているという証明書(車庫証明、正式には「自動車保管場所証明書」)を所轄警察署に交付してもらう必要があります。

保管場所(車庫)の用件は、自動車の使用の本拠(自宅など)の位置から2km以内であること、道路から支障なく出入りでき、かつ、自動車全体を収容できるものであること、保管場所(車庫)を使用する権原(ある行為を正当化する法律上の原因)を有することです。
申請の際には、申請書の他に所在図、配置図を添付するとともに、使用権原を疎明(証明)する書類を添付しなくてはなりません。

次のいずれか1通
ア 自動車の保有者の土地または建物を保管場所として使用する場合
・自認書
イ他人の土地または建物を保管場所として使用する場合
・駐車場賃貸借契約書の写し
・駐車場賃貸借契約書の写しがない場合は、駐車場を賃借している者であれば、通常、有している駐車場の料金の領収書等
・保管場所使用承諾証明書
・以上のものが作成しがたい場合において、当該自動車の使用に関連のある都市基盤整備公団等の公法人が当該自動車の保有者が保管場所として使用する権原を有することを確認したときは、当該公法人の発行する確認証明書
ウ他人と共有している土地または建物を保管場所として使用する場合
・保管場所使用承諾証明書

使用権原を疎明する書類については、平成3年に警察庁が全国の警察本部に通達を出しており、全国一律です。しかし、駐車場を賃貸借している場合、契約書 の記載内容が不十分な場合には、証明書の交付ができないことから、一部の警察署では保管場所使用承諾証明書が重視される傾向があるようです。最初から保管場所使用承諾証明書ありきではなく、所轄警察署の担当者に問い合わせるなどして、不要な書類の作成の手間を省きたいものです。
(※)自動車の保管場所の確保等に関する法律

コメント&解説

相談にもあるように、不動産業者が「保管場所使用承諾書を貸主に書いてもらわなければなりません」と、あたかも、承諾書がなければ自動車保管場所証明書が交付されないように説明するのは、問題といえます。
しかし、「問題ではないか」などと不動産業者に申し出ても、「うるさい客」と思われ、駐車場の賃貸借契約の更新を断られるようなことになれば、自動車の保管場所に窮することになりかねません。
また、駐車場の賃貸借契約書に特約事項として、「車庫証明取得の際は、使用承諾書の発行を求めること」などと明記し、契約締結の条件とされる場合もあります。
結局、駐車場を借りる側が不利な状況となることが少なくありませんが、「駐車場の賃貸借契約書や駐車場料金の領収書等の写しがあれば、自動車保管場所証明書の交付される旨を粘り強く説いて、不要な費用負担を回避しましょう。

ここに掲載する相談事例は、当時の法令や社会状況に基づき、一つの参考例として掲載するものです。
同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況や問題発生の時期などが異なれば、解決内容も違ってきます。

(以上転載)

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